介護の質は小さな積み重ねで決まる|日々の心がけが利用者の安心につながる

介護の本質

はじめに

介護の質は、一日で大きく変わるものではありません。

利用者に安心して生活していただくためには、毎日の小さな積み重ねが大切です。

一つひとつは些細なことでも、それを続けることで介護の質は保たれます。

一方で、「これくらいなら大丈夫」という気持ちが積み重なると、少しずつ介護の質が低下することもあります。

今回は、私が現場で大切だと感じている「介護の質を維持するための日々の積み重ね」についてお伝えします。


介護の質は毎日の積み重ねで作られる

質は一日で変わるものではない

介護の質は毎日の積み重ねによって作られるものです。

職員の良い習慣が少しずつ積み重なれば、より良いサービスの提供につながり、利用者が安心して生活できる環境につながります。

介護現場は忙しい場面も多くあります。

しかし

「今日は忙しいから申し送りは端的にしよう」

「爪切りはまた今度にしよう」

「時間がないから記録は簡単にしよう」

といったことが重なると、次第にやらないことが当たり前になり、介護の質の低下につながります。


小さな約束を守ることが信頼につながる

仕事の期限を守る

介護の現場では日々の介護業務とは別に、期限のある業務も発生します。

それらの期限を守ることも、間接的に介護の質の維持向上につながると感じます。

例として

・季節のレク活動の計画書の作成

・委員会の議事録の作成

・家族に送るお便りの作成

これらのことはほとんどの場合、期日が決まっているはずです。

もし、期日に間に合わなかった場合には、利用者へのサービスにも影響する可能性があります。

また、場合によってはご家族や上司、同僚にも迷惑がかかります。

私自身も、会議録の作成が遅れてしまい、情報の共有ができなかったことがあります。

どうしても人間のすることなので、遅れてしまうこともありますが、それが常習化してしまうと問題です。

職場全体に危機感がなくなり、知らない間に、利用者やご家族、または外部の機関からの信頼がなくなっていきます。


 試験的に始めたことは必ず評価する

ケアの方法を見直した場合は必ず期限を決めて評価することが大切です。

利用者の状態は日々変化する中で、ケアの内容を試験的に見直すことがあります。

一例として

・尿量が増えたので尿取りパッドを吸収量の多いものに変えた。

・嚥下状態が落ちてきたので、ご飯からお粥に変更した。

・水分の摂取量が減ったので、紅茶を提供するようにした。

といった変更をすることがあります。

しかし、変更後期限を決めないと

・尿取りパッドを変えてその後問題ないのか?

・お粥でちゃんと食べられるようになったのか?

・紅茶は飲んだり飲まなかったりだけどいつまで試すのだろう?

と職員は疑問に思います。

評価の時期が決まっていないと、職員によってケアの目的や継続期間の認識が変わり、一貫した支援が難しくなることがあります。

・◯月◯日より、食事の内容変更。

 一週間後の◯日に評価する。

ときちんと決めることで職員が同じ目的を意識しやすくなります。

また、利用者をよく観察することにつながります。


忙しい時こそ介護の質を意識する

優先順位をあらかじめ決める

介護現場は、毎日が同じ忙しさではないことがほとんどです。

忙しい日は全て完璧にするのではなく、業務に優先順位をつけることが大切です。

・職員の欠員が出たので、爪切りは翌日に行う。

・急な病院受診対応が入った。散歩の予定だったが翌日に変更。

・他の雑務を省くが入浴介助は予定通り実施する。

など優先順位をつけてその時に本当に必要なケアを優先して実施する。

これらのことは、あらかじめ決めてあると、突発的なことがあっても職員も迷わず対応しやすいです。

「何を優先するのか」

を普段から共有しておくことが重要です。


無理なスケジュールは介護の質を下げる

特に人手不足の現場では細かなスケジュール管理が大事になってきます。

現状の職員数に合ったスケジュールでなければ、職員によってケアの質に差が出ることがあります。

また、情報の共有ができないことで現場がうまく回らず、職員同士のフォローもしにくくなります。

また、声かけや確認不足も重なり、職員間の雰囲気の悪化にもつながります。

これらの全てが利用者の負担につながるのだと感じます。

忙しい中でこそ、まずは現状に見合ったスケジュールの作成・見直しが大切です。


「これくらい」で妥協しない

責任者の姿勢が介護の質を左右する

責任者が

「今回はいいか」

と妥協すると、

その基準が職場全体に広がります。

だからこそ、

小さなことほど大切にする姿勢が必要です。

特に現場の責任者の介護に対する姿勢は大切です。

私は責任者はその現場の状況を映し出す鏡だと思います。

私の経験上、自分の心に緩みがあった時は同じように現場全体が緩みますし、ピリッとしていれば自然と全体の雰囲気が締まるものです。

小さなことでも

「今回のミスはだれでも起こしそうだし、しょうがないか」

「これくらいは、出来てなくもしょうがないか」

などその場で流してしまうことは長い目で見ると介護の質の低下につながります。

もちろん個人のミスを責めすぎるのは問題です。

何かあった際に、きちんと問題に向き合い、改善に繋げることが介護の本質であり、質の向上につながるのだと思います。


継続することで質は保たれる

介護の質は特別な技術だけではありません。

毎日の積み重ねを継続することが結果として質の高い介護につながります。

一方でよくない習慣ほど、早く浸透し介護の質の低下を招きます。

例として

・業務のスケジュールの改善案を実施したが、上手くいかず、いつの間にか元のスケジュールで動いていた。

・接遇面の勉強会を行い、最初は声かけの仕方が改善されたように見えたが、次第に元のような声かけに戻っていった。

・利用者の整容に力を入れたが、いつの間にが雑になっていった。

といったことです。

ケアの質の向上に近道はありません。

小さなことを意識して毎日同じように地味に続ける。

このことが介護の質の維持・向上させるたった一つの道だと感じます。


まとめ

今回は介護の質について、積み重ねが大事だとお伝えしてきました。

まとめると以下の通りです。

  • 介護の質は一日では変わらない
  • 小さな約束を守ることが信頼につながる
  • 新しい取り組みは必ず評価する
  • 忙しい時ほど優先順位を明確にする
  • 責任者が基準を守り続けることが介護の質を支える
  • 継続が大切

悪い習慣はあっという間に現場に根付きます。

良い習慣を継続できる環境を作ることが責任者の大切な役割です。

小さなことを一つずつ積み重ねることを毎日意識しながら利用者に向き合い、みんなで介護の質を上げていきましょう。

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