介護職員が辞める理由とは?現場経験20年以上の私が考える本当の原因

人材育成

はじめに

介護業界では人手不足が大きな問題となっています。

「最近まで一緒に働いていた仲間が急に辞めた」

といったことも残念ながら、しばしば起こります。

世間での介護職は

「介護職は離職率が高い」

「せっかく入ってもすぐ辞めてしまう」

「どこの施設も人手不足」

といったイメージを持たれる傾向にあります。

しかし20年以上介護現場で働いてきた私の経験では、辞める理由は単純ではありません。

様々な要素が重なって退職していくケースが多くあります。

今回は介護職員が辞める理由について、背景にある本質について考えていきます。

介護職員はなぜ辞めていくのか

介護職員が辞める理由は一つではありません。

主な理由としては、

・給与への不満
・人間関係
・評価への不満
・身体的負担
・精神的負担
・職場とのミスマッチ

などがあります。

私の経験では、これら一つの要素で退職に至るケースは少なく、複数が重なったときに退職を後押しするケースが多いです。

しかし私は、その根底には共通して

「ある感覚」

が存在していると考えています。

給与への不満は本当に最大の理由なのか

介護職は低賃金と言われることが多いです。

確かに平均賃金を見ると介護職は低賃金の方に分類されます。

しかし、当然のことながら賃金は入職時に提示されます。

皆、それを了承した上で入職しているはずです。

しかし、入職後の生活環境の変化により、経済的な負担が増える状況もあります。

・結婚した
・子どもが生まれた
・住宅ローンを組んだ

など、ライフステージの変化は大きな要因です。

しかし私は、給与だけが理由で辞める人はそれほど多くないと感じています。

頑張っても評価されない

私は介護職を辞める理由の一つが、仕事に対して

「正当な評価を得られないこと」

だと感じています。

介護現場では、積極的に仕事に取り組む職員ほど負担が増える傾向があります。

一例として

・書類作成が特定の職員に偏る

・工作が得意な人がレク担当になることが多い

・パソコンが不得意な職員の代わりに介護記録をする

といったことです。

しかし、評価基準が曖昧で

「何を評価されているのか分からない」

という職場も少なくありません。

また、介護現場でありがちですが、最低限の仕事だけをする職員がいた場合には

「頑張らない人と評価が変わらない」

「なんであの人と給料に差がないんだろう」

という不満が出てきます。

この場合、職員のモチベーションは徐々に下がり、退職へ繋がることもあります。

職員の環境への不満

休みが取りづらい

一般的に介護の仕事は休みが取りにくい職種です。

中には土・日がお休みのデイサービス等の事業所もあります。

しかし、施設はそうはいきません。

シフト制の勤務の為、一日に一定の人数を配置しなければなりません。

そのため休みの希望も制限されている職場がほとんどです。

上に挙げた生活環境の変化も重なって、シフト制の勤務を続けることが難しくなることもあります。

上司とのコミュニケーション不足

職員は評価だけでなく承認も求めています。

人は誰でも仕事の遂行に対して、褒めてもらったり、アドバイスをしてもらいたいものです。

しかし忙しい現場では、

・声を掛けてもらえない
・相談しにくい
・話を聞いてもらえない

という状況もあります。

私は職員とのコミュニケーション不足が離職につながるケースを何度も見てきました。

人間関係の問題

人間関係も退職の大きな理由の一つです。

介護はチームで行う仕事です。

そのため人間関係の影響を大きく受けます。

特に介護現場は忙しく、職員同士が相手を気遣う余裕がない場合も多くあります。

職場の不平不満や陰口を言うような空気が蔓延していると、それだけで気が滅入ってしまいます。

このように「仕事そのもの」ではなく「職場の雰囲気」で辞めるケースも多く見られます。

看取りやカスハラによる精神的負担

介護職は身体的負担だけでなく精神的な負担も大きい仕事です。

具体的な例として

・看取りの対応
・利用者からの暴言
・家族対応
・カスタマーハラスメント

などがあります。

特に責任感の強い職員ほど悩みを抱え込み疲弊してしまう傾向があります。

思っていた仕事とのギャップ

介護職は未経験でも挑戦しやすい仕事です。

その一方で、

・身体的な負担が思ったより大きかった

・夜勤が体に合わなかった

・思ったより気遣いや配慮が必要だった

など、自分のイメージしていたこととのギャップが介護職を辞めることに繋がるケースもあります。

辞めても介護業界に戻る人が多い理由

興味深いことに、私自身、多くの退職者を見てきましたが、別の職場で再び介護職として働く人も少なくありませんでした。

これは介護そのものが嫌いになったのではなく、

「今の職場が合わなかった」

というケースが多いからです。

つまり、特定の環境が原因で職場とのミスマッチを感じ、退職に至ることが多くあります。

私が考える介護職員が辞める本当の理由

これまで、介護職員が辞めるいくつかの要素を挙げてきました。

そして、介護職員が辞める理由として冒頭でも触れた

「ある感覚」

とは

「自分の存在や努力が、きちんと見てもらえていないと感じること」

だと考えています。

給与や人間関係も大切です。

しかし、

・評価されない
・認められない
・相談できない

こうした積み重ねが最終的に離職につながるのではないでしょうか。

一方で、介護職には長く続けたくなる魅力もあります。詳しくはこちらの記事で紹介しています。

 介護職のやりがいとは?20年以上働いて感じた7つの魅力

まとめ

介護職員が辞める理由は給与だけではありません。

評価、人間関係、精神的負担など様々な要因があります。

だからこそ職員を支えるためには、待遇改善だけでなく、コミュニケーションや評価制度の見直しも重要です。

「正しく評価して、その人を認める」

難しい課題ですが、介護の職場から貴重な人材を手放さないためには大切なことだと感じます。

以下の記事では「介護現場の人手不足」について解説しています。

介護現場の人手不足はなぜ起きるのか?現場から見た理由

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