介護職のリーダーは何が大変?|現場で感じた責任と苦労

人材育成

はじめに

介護職として働いていると、

「リーダーは大変そう」

と感じる人もいるでしょう。

しかし、その大変さは現場のことだけではありません。

今回は、私自身の経験をもとに、介護職のリーダーが何に責任を持ち、何に悩みながら仕事をしているのかを書いていきます。

「リーダーはいつもどんな仕事をしているんだろう?」と疑問に思っている方、または、これからリーダーを目指す方や現在リーダーとして悩んでいる方の参考になれば幸いです。


リーダーの仕事は介護だけではない

シフト作成は思った以上に難しい

リーダーの仕事の一つにシフト作成があります。

シフトはただ、その日の人数が揃っていればいいというわけでもありません。

・人員基準を満たしているか

・新人職員がかたまっていないか

・夜勤の回数は適切か

・無理な連勤になっていないか

このように、様々なことを考慮しながら作成しなければなりません。

「シフトを組む人は自分の休みは好きに入れることができる」

と思われる方もいるかもしれませんが、私の経験上、結局自分の休みは後回しになることが多かったです。

シフト作成は、職員の働きやすさだけでなく、利用者が安心して生活できる環境を支える大切な仕事なのです。


現場全体を把握し続ける必要がある

リーダーの仕事は、利用者の状態把握だけではありません。

その日の職員の配置、事故防止、業務がスムーズに流れているかなど考えることはたくさんあります。

特に施設においては24時間稼働しているため、自分の退勤後のことも考える必要があります。

利用者も職員も安心して一日を過ごせるように現場全体を見渡すこと。それがリーダーに求められる役割なのだと思います。


人と人との間に立つ仕事

利用者と職員の両方を考える

リーダーが介護現場で優先順位をつけるとしたら、利用者が最優先となります。

しかし、職員のことを考えなくていいわけではありません。

職員についても

・疲弊している職員はいないか

・人間関係に問題はないか

・新人職員は育っているか

気にかけることは多くあります。

私は良い介護現場の条件とは、どちらもうまくバランスが取れていることだと思います。

職員が気持ち良く働くことが良いケアにつながり、利用者も安心して過ごすことができるのだと感じます。


職員同士の人間関係にも気を配る

リーダーは職員同士の関係性についても気を配る必要があります。

職員間で経験年数も違いますし、資格の有無、介護観の違いもあり、トラブルになることもあります。

どちらかが明らかに悪かったとしても、ただ咎めるだけでは、根本的な解決にはなりません。

感情的にならずに双方の言い分を聞くことが大事です。

場合によってはシフトの調整も必要になるかもしれません。

職員の価値観を大事にしながら、業務のバランスを図ることもリーダーの大切な役割の一つだと思います。


上司と現場の板挟みになることもある

リーダーにも上司がいます。

そして、時には上司と自分の部下の職員との板挟みになることもあります。

私の経験で一つ例をあげます。

人手不足の現場で働いていた時のことです。

当然、下の職員からは増員の希望があります。

しかし、上司は現状の人数でまわしていくとの方針でした。

職員は利用者に満足してもらうケアをするためには、人数が必要だと考えます。

しかし、上司は人件費や施設全体の収益を考えます。

もちろん施設のことだけではなく

「収益が上がらなければ職員への還元ができない」

という考えもありました。

この時、上司には事細かく現場のスケジュールや職員の状況を説明して、ようやく理解を得られ、職員の増員につながりました。

この時の職員とリーダーの上司、どちらも間違ってはいません。

・職員には施設の方針や理念をしっかりと浸透させる

・リーダーの上司には現場の現実を正しく伝える

板挟みになりながらも、それぞれの役割や考え方を理解して橋渡し役となることも中間管理職であるリーダーの大切な役割だと思います。


家族や外部との調整も仕事

家族からの相談や苦情

リーダーは利用者だけではなく、家族と関わる機会も多くあります。

普段は利用者の近況報告や、必要な物品の依頼で連絡することが多いです。

しかし、時には苦情という形で家族からの話を聞くこともあります。

私も責任者や生活相談員に就いていた頃は多くの苦情を受けたものです。

ご家族によっては、感情的になる方もおられました。

時には無茶と思われる要求もありました。

しかし、それは自分の家族である利用者を何よりも大事に考えているからです。

もちろん本当に無理なこともあるので、その時はしっかりと家族に伝えていました。

私は苦情はサービスを改善するために必要なものだと捉えています。

苦情の原因を追求して、改善しサービスに落とし込む。

そして介護現場の質を向上させる。

そこまでしてこそ、苦情を受け付ける意味があるのだと思います。


多職種や外部との連携

リーダーは利用者や家族の他にもたくさんの人と連絡調整し、連携をとっています。

大規模な施設だと、施設ケアマネ、看護師、生活相談員、栄養士などたくさんの職種が関わっています。

専門職それぞれの考え方もあるので、時には意見の食い違いもあります。

それぞれの意見を尊重しつつ、調整するのもリーダーの大事な役割です。

また、外部のケアマネや病院、福祉用具販売店などと連携することもあります。

現場がスムーズにまわっている事業所では、このような、内部や外部との連絡調整が上手く行われていることでしょう。


リーダーだからこそ気を付けたいこと

特定の職員と近すぎる関係にならない

私がリーダーになった時に一番気をつけたことは

「職員に対する公平性」

でした。

一般社会の仕事と同様に、介護の仕事でも人事異動があります。

自分の仲の良い同僚が、翌月から上司や部下の関係になることもあります。

つい最近まで同じ立場だった職員が違う立場になれば、当然接し方も変えなければなりません。

友達に近い関係性だったとしても、相手が上司になれば言葉使いも変わります。

相手が部下になれば、自分からお願いする仕事は指示・命令となります。

今までと同様に近い距離で接していると他の職員からは

「あの人ばかり気に入られてる」

「大事な仕事はあの人ばかり任せられてる」

と意図しなくても、このように受け止められかねません。

リーダーになれば、どの職員にも同じように気にかけなければいけません。

そして、その人、状況に応じた声掛けや会話をしていく必要があります。

その積み重ねで、上司として相談されやすくなり、信頼につながるのだと感じます。


一人で抱え込まない

リーダーはたくさんの仕事がありますが、一人で抱え込まないことが大事です。

介護はチームで行う仕事です。

当然リーダー一人では現場はまわりません。

職員もリーダーの的確な指示がなければ迷ってしまいます。

私も経験がありますが、一番良くないのは

「この仕事は自分でやった方が早い」

と思い、全て自分でしてしまうことです。

これでは現場の職員はそれが普通だと思い、その後もさらに多くの仕事を抱えることになります。

リーダーは時に、自分の持っている仕事を見直し、職員の状況も見ながら頼ることも大事なことです。

そのことが職員のスキルアップにもつながり、現場の質を上げることにつながります。

また、頼ることで逆に職員からの信頼を得ることもあります。

人を頼ることは巡り巡って、現場の質を上げ、より良いケアを提供することにつながることを覚えておいてほしいです。


良いリーダーとは

良いリーダーとは、何でもできるスーパーマンのような人ではありません。

利用者、家族、職員、それぞれの思いを受け止めながら、時に悩み、もがき苦しみながらも、チームと一緒に前に進める人だと思います。

そして、良いリーダーには職員の助けも必要です。

リーダーと職員、お互いが助け合うことで、お互いが育っていく。

良い介護現場とはそのように作られていくのだと思います。


まとめ

ここまで、介護現場のリーダーの役割や責任について書いてきました。

  • リーダーの仕事は介護だけではない
  • 判断に正解はない
  • 多くの人との調整役になる
  • チーム全体を見る視点が必要
  • 良い介護は良いチームから生まれる

介護のリーダーはたくさんの仕事を抱えながらも、全体のバランスを考えながら業務を組み立てています。

リーダーと職員、それぞれが成長しながら支え合い、良い介護現場を作っていきたいものです。

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