介護職の人間関係がつらい理由|現役介護士が実践する対処法

人材育成

介護職の悩みとしてよく挙げられるのが人間関係です。

利用者との関わりは好きでも、職員同士の人間関係に悩み、仕事がつらくなってしまうケースは少なくありません。

私自身も、療養型医療施設、グループホーム、特養など複数の施設で働いてきましたが、人間関係に悩む職員を多く見てきました。

この記事では、介護職で人間関係がつらいと言われる理由と、少しでも負担を減らすための考え方について解説します。

介護職で人間関係がつらいと言われる理由

常に忙しく心に余裕がなくなりやすい

介護職は常に忙しく、人手不足の影響で心に余裕がなくなりやすい仕事です。

今の介護業界の大きな課題のひとつが人手不足です。

私の周りでも介護職の人手不足をよく聞きます。むしろ、人手が足りているという話はほとんど聞きません。

人手が不足すると、少ない人数で身体介助や認知症の方への対応を行わなければならず、職員一人ひとりの負担が大きくなります。

その結果、同僚への配慮まで気が回らなくなり、職場の雰囲気が悪化してしまうことがあります。

私自身も、業務に追われているときは同僚への声掛けが不足したり、つい強い口調になってしまった経験があります。

人間関係の問題に見えても、その背景には人手不足や業務負担の大きさが隠れている場合も少なくありません。

職員ごとに介護観の違いがある

介護の現場では介護観の違いにより、意見の食い違いが起こることがあります。

介護の職場は、施設の立ち上げから働いている人もいれば、他の施設から転職した人、または他業種から転職した人などもいます。

介護現場に関わる職種においても、介護

士、看護師、栄養士、理学療法士など多種多様です。

そのため、それぞれが異なる経験や価値観を持っています。

また、私の経験では年代の違いも介護観の違いに影響しているように感じます。

例えば、

  • 利用者への声掛けの仕方
  • 自立支援に対する考え方
  • 業務の優先順

などです。

それぞれ、間違った考え方ではなくても、解釈や捉え方の違いにより、意見の食い違いにつながるケースは少なくありません。

介護観の違いは避けられないものですが、相手の考え方を知ろうとする姿勢が人間関係を円滑にする第一歩だと感じています。

情報共有不足によるトラブルが起こりやすい

人間関係のトラブルの一つとして情報の共有不足があります。

私が経験した中で、一番原因として多いと感じたのは先述した「人手不足による忙しさ」によるものです。

日々の業務に追われることで、申し送りが不十分になり、利用者に迷惑をかけてしまったケースもあります。

介護の現場では扱う情報がたくさんあります。

また、利用者の状況は日々変化し、対応がその都度変わります。

忙しい現場の中でも情報の共有のためには

・簡潔でわかりやすい介護記録を学ぶ

・申し送りの内容の整理する

など、業務の中で工夫していくことも大事です。

情報共有の不足は利用者へのケアにも影響します。忙しい現場だからこそ、記録や申し送りを分かりやすく伝える意識が大切だと感じています。

人間関係がつらい時の考え方

職場全体の問題である場合も多い

私は人間関係の悪化は職員個人だけの問題ではないと感じています。

これまで複数の施設で働いて

「この職員さんは苦手だな」

「何か言い方がきついな」

「どうしてちゃんと教えてくれないだろう」

と感じるような場面はいくつも経験してきました。

まれに個人の性格の問題だと思うこともありますが、多くは業務多忙による、疲労感や気持ちの余裕の無さからくるものだと感じます。

人間関係に悩んだときは、自分だけが悪いと決めつけず、職場全体の状況にも目を向けてみることが大切です。

全員に好かれようとしない

私が人間関係において気持ちを楽にする考え方として、

「職員から好かれようとしない」

ことを意識しています。

職員個人の価値観や考え方を変えるのは難しいことです。

特に職場において全員に好かれることはほぼ不可能です。

自分の考え方は大事にしつつも、相手がどう考えるかは相手の課題だと割り切ることも大切です。

仕事とプライベートを分けて考える

人間関係の問題が起きた時でもその日の勤務が終わったら、気持ちを切り替えることが大切です。

仕事をしているとどうしても人間関係の問題は避けて通れません。

私自身も、何か人間関係で問題があった時に、退勤後も引きずって、家で考え込むこともあります。

「なんて理不尽なことで注意されたんだろう」

「あの時、こういう風に返答すれば良かったかな?」など

勤務外にそんなことを考えると、せっかく休息に充てる時間なのに逆に疲弊してしまいます。

勤務時間以外は仕事のことは忘れて過ごすよう心掛けましょう。

人間関係の負担を減らす対処法

信頼できる人に相談する

人間関係は自分一人で解決することはとても難しい問題です。

問題が起きた時には誰かに相談してみましょう。

これは、誰でも良いという訳ではありません。

職場には、あなたの介護観に理解のある人や、あなたが信頼できる人が一人はいるはずです。

誰かに相談することで、解決の糸口が見つかる場合もあります。

また、解決までいかなくても、相談するだけでも心の負担は軽くなるはずです。

私自身もこれまで働いた職場で必ず一人は「相談するならこの人」と決めている人がいました。

実際、相談したことで、ある程度悩みが軽減したケースもあります。

・苦手な相手への接し方を教えてもらった

・シフトを調整してもらった

・上司に間に入ってもらった

などです。

「これくらいのことで相談してもいいのだろうか?」

と考えがちですが

相談を受ける側としては、むしろ問題が大きくなる前に、相談してくれた方が、問題を把握でき、解決策をみつけやすいので助かるものです。

一人で問題を抱えると、悩みが限りなく増幅してしまうものです。

誰かに相談した方が職場全体のためにもなります。

思い切って相談し、早く心の負担を取り除きましょう。

異動や配置変更を相談する

これまで挙げた対策を講じても、どうしても人間関係が改善しない場合は、異動により環境を変えることも一つの策です。

職場での人間関係で悩んだことがない人は、ほとんどいないでしょう。

私自身も、人間関係の問題が完全に解決したケースは多くありません。

職場環境の問題もありますが、人間である以上は、相性は必ずありますし、価値観の違いを理解するのも難しいことです。

異動先の人間関係の心配もあるかもしれません。異動前に元々の職場の気の合う仲間と、連絡をとれる状態を作っておきましょう。

何か一つでも心の拠り所をつくっておくことが大切です。

環境を変える選択もある

異動さえ難しい場合は、転職も視野に入れてみましょう。

・単独の事業所でそもそも異動がない

・異動先にも、同じくらい関係性のよくない職員がいる

・個人の希望だけで異動は出来ない

という状況の方も多くいると思います。

転職することで、職場の人間関係は良くも悪くもリセットされます。

また、同じ介護職での転職ならこれまで培った知識やスキルは活かすことができます。

転職は新しいことを学んだり、新たな人間関係を築くチャンスでもあります。

思い切って新しい環境に飛び込む勇気も必要だと感じます。

人間関係で悩んでいる人へ伝えたいこと

人間関係は本当に難しいものです。

私はこれまで、職員同士のいがみ合い、陰口の言い合いなど、たくさん目にしてきました。

私自身も人間関係で

「よくない対応をしたことが、たくさんあったな」

と今になって反省することも多いです。

しかし、問題のありそうな職員個人と話してみると、意外と気さくだったり、介護観がしっかりしていたりする方が多かったのも事実です。

介護職を選んで働いている以上、心根はみんな優しいはずです。

相手を完全に理解することは難しいですが

今度、人間関係のトラブルにあったら

どういう背景があってこのような言動になるのだろう

と考えてみてはいかがでしょうか。

また

・ほんの少し、今までより暖かい言葉をかける

・苦手な人でもこちらから笑顔で挨拶する

など自分の行動を変えることでも

何かしらの変化があるかもしれません。

介護現場の人間関係

難しいですが、相手の立場になって考えると、少しは何か改善する糸口が見つかるかもしれません。

まとめ

  • 人間関係の悩みは介護職に多い
  • 個人だけでなく職場環境が原因の場合もある
  • 一人で抱え込まないことが大切
  • 必要なら環境を変えることも選択肢

介護職の人間関係は一筋縄ではいかない難しい問題です。対策を講じながら、相手を思いやる気持ちを忘れないようにしましょう。

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