責任者は現場が見えていない?|介護現場で起こる認識のズレを考える

人材育成

はじめに

それぞれの介護事業所には、ほとんどの場合、責任者がいます。

しかし、職員の目線になると

「現場が見えていないのではないか?」

と感じることも少なくありません。

今回は責任者と現場の職員の視点の違いや認識のズレについて解説していきます。


現場職員が「責任者は現場が見えていない」と感じる理由

責任者は現場を管理する立場ですが、それ以外にも多くの仕事を抱えています。

一般的な責任者の業務として

・新規利用者の受け入れ準備

・現場のスケジュール調整

・シフト作成

・利用者家族の対応

このような業務を抱えながらだと、どうしても現場に入る時間が少なくなります。

その結果、現場職員からは

「現場の大変さが分かっていない」

「実際に現場を見ていないのではないか」

と感じられることもあります。


責任者は現場以外に見ているものとは?

責任者は利用者処遇だけでなく様々な視点から介護の現場を見ています。

一例として

・家族からの要望に応えられているか

・職員数や利用者数のバランス

・事業所の収支状況

・事業所が法令を守れているか

などがあります。

これらを総合的に見ながら事業所を運営しています。

これらは、その時々で改善する優先順位も変わってきます。

そのため、一時的に現場が大変な状況になった場合などに

「現場を見てくれていない」

と職員が感じてしまうこともあります。

責任者は理想を目指し、職員は現実と向き合っています。

そのため、お互いに間違っているわけではなく、見ている景色が違うことで認識のズレが生まれるのです。


責任者が職員に求めるレベル

責任者は事業所を常により良くしたいと考えています。

そのため、現状の介護現場のレベルよりも少しでも高くなるよう指導していきます。

しかし、時に責任者と職員間で意識のズレが起こることがあります。

責任者は

「このくらいは利用者の為には、できて当然」

と考えても

職員の方は

「それを実行するには人数が足りない」

「決めるのはいいけどそれをする時間がない」

とギャップを感じてしまいます。

特に人手不足の事業所ではこのようなギャップが起こりやすいです。

介護現場の人手不足についてはこちらの記事でも解説しています。

介護現場の人手不足はなぜ起きるのか?現場から見た理由

「人手不足のしわよせは利用者へ|介護現場で本当に困るのは誰なのか」


実は問題が見えていてもすぐに介入しないことがある

責任者は実は現場の問題が見えている場合もあります。

誤解があるかもしれませんが、問題を放置しているというわけではありません。

責任者が問題を指摘することは簡単です。

しかし、現場の職員が問題に気づき、自分たちで改善していくことを期待していることもあります。

その繰り返しが自浄作用のある、強い現場を作ることを理解しているのです。


現場に入りたくても入れない事情

責任者も場合によっては現場に入ることを望んでいます。

しかし、責任者はとにかく突発的に発生する仕事が多くあります。

その結果、本来予定していても現場の状況を見れなくなることが少なくありません。

本来は、

・新人職員の成熟度の確認

・現場の雰囲気の確認

・整容や衛生管理のチェック

など多くのことを自分の目で確認したいものです。

このことも現場の職員からは

「責任者は現場に入ってくれない」

という印象につながるのだと感じます。


現場と責任者の間には橋渡し役が必要

責任者と現場でのギャップを解消する要因として「橋渡し役」が必要だと感じます。

責任者と現場の職員の間の役職がそれにあたります。

・課長がトップなら主任が橋渡し役

・主任がトップなら副主任が橋渡し役

と各事業所で組織形態での違いはあれど、そのような役割の人はいるはずです。

橋渡し役の人の役目として

・トップの考えをしっかり部下に伝える

・部下の意見を集めて上申する

ことがあげられます。

そのためこの役割の人は、広い視野を持ち、偏った意見に左右されないことが大切です。


責任者にも育成が必要

責任者自体にも適性や能力が求められます。

現場で優秀だった人が、そのまま良い責任者になれるとは限りません。

責任者がその時々で意見が変わるようであれば、職員からは信頼を得ることができません。

また、責任者になると介護の技術や知識だけあっても、それで現場が回るわけではないのです。

人材を育成する力、組織をまとめられる力を備えてこそ、現場がチームとして機能すると思います。

責任者になってゴールではなく、自己研鑽を続けながら職員と一緒に成長する必要があります。


良い組織はお互いの立場を理解することから始まる

ここまで責任者が現場が見えなくなる状況や職員間のギャップについて説明してきました。

責任者との職員との関係性は、お互いが見えている景色や認識の違いにより、距離感が変わってくるものです。

責任者が正しいわけでも職員が正しいわけでもありません。

また、責任者、職員誰が欠けても現場は成り立ちません。

それぞれがギャップを感じた時は、一度立ち止まって、少しでも相手の立場になって考えることがより良い現場を作ることにつながると思います。


まとめ

ここまで責任者がどこまで介護現場が見えているかについて説明してきました。

・抱えている業務の多さ

・責任者は総合的に現場を見ている

・現場のレベルアップを求めている

・職員の気づきに期待している

・突発的な仕事の多さ

などが責任者と職員のギャップを生む原因と考えられます。

橋渡し役の存在や、責任者の成長もギャップを埋める必要な要素です。

しかし、ギャップを埋める一番の要素は相手の立場を考えることです。

お互い思いやりを持ちながらより良い介護現場づくりをしていきましょう。

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