夜勤は介護士を育てる?|現場で身につく力と成長の理由

人材育成

はじめに

夜勤は日勤とは違ったやりがいや大変さがあります。

初めての独り立ちでの夜勤を終えた後に、充実感や達成感を感じる介護士の方は多いのではないでしょうか?

今回は、介護士が夜勤に入ることで分かることや身につくことについて解説していきます。


夜勤でしか見えない利用者の姿

昼と夜で利用者は違う

施設入居者の中には昼と夜で全く違う姿を見せる方もおられます。

私が経験した例でこんな方がおられました。

・普段は穏やかだが日が暮れてから夜間にかけて落ち着かなくなる。

・昼間は穏やかな人だが、夜間帯に「誰かが入ってきた」、「そこに人がいる」など幻覚の症状が出る方

など昼間とは全く違う様子のため初めて夜間帯にその姿を見た時は戸惑ったものでした。

しかし、夜間帯に様子が変わることについては、理由があります。

それは生活歴や既往歴、現在の病気に関係していることがほとんどです。

 言動の関連性が見える

夜勤に入ることで入居者の一日の流れが見えてきます。

例として

・ある入居者が昼間にウトウトしていることが多い。

・夜勤に入り、巡視すると寝ているように見えたが、少し近づくとすぐに目を覚まされた。

・このため夜間帯の眠りが浅いことがわかった。

・主治医に相談して寝る前の薬を調整してもらった。

ということがありました。

これは一例ですが、他にも申し送りだけでは分からない入居者の生活の流れがわかることがあります。


夜勤で身につく介護士としての力

夜勤業務は日勤帯の業務とは内容が大きく違います。

日勤よりも少ない人数で、様々な場面が訪れるため、介護士のスキルアップにも大きく関わってきます。

観察力

夜勤でまず鍛えられるのは観察力です。

夜間帯は入居者は居室にて休んでおられます。

巡視の際には、入眠や呼吸状態、室温、寝ている姿勢など観察することがたくさんあります。

日勤帯は複数の職員の目で入居者を見ていますが、夜勤は一人で複数の入居者を見ることもあります。

そのため、「何かいつもと違うな」と気づく力が自然に育てられていきます。

 緊張感・急変対応

夜勤は日勤帯よりも気を張ることが多い勤務です。

夜間帯でも事故の危険性があります。

また、夜間帯の急変や救急対応にも備えておかなければなりません。

もし何かあれば、日勤帯の様に他に頼る人もいないため、夜勤者のみで対応することになります。

私も夜勤の日には、夜勤に入る前の時間から緊張することが今でもあります。

この様に夜勤で緊張感を持つことについて耐性がついてきます。

また、夜勤帯では入居者に何かあった際には、夜勤者だけで対応することになります。

それを繰り返すうちに自然と対応力が身についていきます。

日勤帯では入居者の急変対応時には、慣れているベテラン職員や看護師が入ることが少なくありません。

私も夜勤に入りたての頃は、入居者に何かあってもすぐに適切な対応をすることができませんでした。

しかし、転倒時の応急処置や救急車要請など経験することで、今では落ち着いて対応することができるようになってきました。

声掛けの大切さを知る

夜勤に入ることで、声かけの大切さを再認識することがあります。

夜勤は少人数で対応する分、職員同士の声掛けが日勤帯以上に重要になります。

たった一つの声かけが抜けることで、入居者に迷惑をかけることもあります。

私が経験したこととして

・ある入居者のオムツ交換時、排尿がなかったため、次の巡視時にオムツを確認すると決める。

・ペアの夜勤者への申し送りを忘れてしまい、そのまま休憩に入る。

・相手の夜勤者はそのことを知らないため、長時間オムツを交換しないことで尿汚染してしまった。

といったことがありました。

これは一例ですが、声かけの不足が時には大きな事故の原因になることがあります。

このような事例を通して、職員同士の声かけの大切さをあらためて理解することができます。 

責任感が育つ

夜勤に入ることで入居者を守る責任感が育つことがあります。

夜勤は日頃頼っている上司や先輩がいない状態です。

むしろ自分が一番夜勤者の中でベテランということもありえます。

何かあっても自分たちだけで何とかしなければなりません。

私も最初、夜勤でこの立場に置かれた時は、

「何かあったら自分に対応できるだろうか?」

「後輩の手本になるだろうか」

と不安の方が大きかったものです。

しかし、徐々に

「入居者に何かあったら自分が助ける」

と責任感が芽生えてきました。

夜勤帯の誰も頼る人がいない状況が、そのようにさせたのだと思います。

一人ひとりが主体的に判断する場面が増えるため、自然と責任感も身についていきます。


夜勤で学ぶ現実と自己管理の重要性

自分の体調管理の大切さ

普段は寝ている時間に働くため、どうしても身体に負担がかかってしまいます。

そのため、日勤のみ勤務している時よりも、より体調管理が重要になります。

・夜勤の後は何日か疲れがとれず、そのまま日勤の勤務に入る。

・昼夜逆転してしまい、睡眠不足になる。

などは夜勤に入ったことのある人はほとんどの方が経験していると思います。

体調が悪いまま次の勤務に入ると他の職員にも迷惑がかかってしまいます。

私も夜勤に入りたての頃は体調管理がうまく行きませんでした。

夜勤に入ることで自己管理することの大切さを実感することができたと思います。

専従夜勤の大切さ

施設によっては夜勤専従の職員がいることがあります。

夜勤は先述したとおり、体調を崩しやすい勤務です。

人手不足の施設では一人あたりの夜勤回数が増えるため、身体への負担も大きくなります。

夜勤専従が一人いるだけでも、その負担は大きく軽減されます。

また、夜勤に多く入っているため緊急時の対応や不眠事の対応など慣れていることもあり、学べる点も多くあります。

先輩のありがたさ

普段は厳しい先輩でも夜勤に入った際にありがたさを感じることがあります。

私自身も昔、夜勤に入った際の緊急時の対応の時など

「あの先輩が今いてくれたら助かるのに」

「先輩ならどう動くだろうか」

と考えたものです。

日勤帯はみんなでカバーし合えるため、そこまで感じないかもしれません。

しかし、いざ夜勤者だけで対応する場面になると、先輩職員の全体を見る力や迅速な対応などの良さをあらためて実感することができます。


 初めて独り立ちした夜勤

夜勤明けの達成感

私の経験を少しお話しします。

介護士になり、初めての夜勤では、先輩についてもらいながらの勤務でした。

業務についていくのに必死で、頭が回らないまま朝を迎えてしまい、今後の夜勤に不安を感じたのを覚えています。

その後も何度か先輩についてもらう夜勤を行い、次第に流れや注意するポイントが身につきました。

そして初めての一人立ちでの夜勤の日。

何度も内容を復習し、当日の入居者を注意事項もしっかり確認した上で夜勤に入りました。

事前の準備もあり、その夜はちょっとしたトラブルはあったものの無事終えることができました。

その夜勤明けの退勤時には何とも言えない達成感があったことを覚えています。

やっと介護士として一人前になったと感じた瞬間でした。


 夜勤は介護士を育てる貴重な経験

夜勤業務は少ない人数で対応するため必然的に急変時の対応や、不眠時の対応など責任をもって行う必要があります。

そのため夜勤自体が介護士のスキルアップにつながります。

日勤だけでは得られないスキルを得られるので貴重な経験の場となるのだと感じます。


まとめ

今回は夜勤に入ること成長できる理由について解説してきました。

  • 入居者の別の顔を知ることができる
  • 夜勤経験はスキルと判断力を育てる
  • 夜勤に入ることで夜勤専従や先輩のありがたさが分かる

など夜勤に入ることで得られることは多くあります。

自分の体調にも気を配りながら成長に繋げることが大切です。

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