特別養護老人ホームとは?どんな人が向いている?

介護施設

介護の仕事を探していく中で特別養護老人ホーム(以下特養)の求人を目にして検討される方もおられるでしょう。しかし中には特養について、「いまいちイメージができない」、「他の種類の施設との違いがわからない」方も多いかと思います。

この記事では特養の仕事内容や働く上でのメリット・デメリットについて紹介していきます。

特別養護老人ホームとは?

65歳以上で要介護3~要介護5(一部例外あり)の高齢者が入居し様々な支援を受けながら集団生活を送る施設です。従来型とユニット型の2つのタイプがあります。特養は他の種別の施設に比べると重度の入居が者の割合が多くなっています。自立者向けの施設や軽度の方向けの施設に入居されていた方が介護度が重度化したことをきっかけに移り住む場合もあります。また自力での食事摂取が困難になり胃ろうになった方を受け入れている施設、看取り支援を行っている施設も多くあります。これらのことから特養は「終の住み家」として入居される場合が多いです。

従来型とユニット型の違いは?

従来型の居室は多床室です。食堂やトイレも共用となっています。そのため入居者は必然的に施設生活の中で多くの他の入居者と交流することになります。居室で排泄介助や更衣介助をする場合はプライバシー保護のためカーテンやパーテーションにて目隠しをします。職員全員で施設全体の入居者を支援するイメージです。(エリアやフロア分けされている場合もある)オムツ交換や水分補給、夜間の巡視などはユニット型に比べて多床室の方が居室間の移動が少ないため業務がスムーズに進みます。ユニット型については10人以下を一つのグループとして支援を行います。一番の特徴は居室が全て個室となっていることです。プライバシーも守りやすくなっています。ユニットにはリビングスペースがあり食事の際はユニットの入居者みんなで食事をします。少人数の生活のため、入居者はアットホームな雰囲気の中で施設生活を送ることができます。職員についてもユニットで固定されていることが多く、いつも同じ入居者と関わることができて状態も把握しやすく、信頼関係も築きやすいといえます。

特養の主な仕事内容

食事の準備・介助

食事は入居者の状態に合わせて提供されます。入居者の状態によって普通食、刻み食、ミキサー食などを提供します。また糖尿病や高血圧などの持病がある方に関しては、カロリーや塩分を調整したメニューを栄養士が考えます。特養は食事介助を要する方も多くおられます。嚥下状態に合わせ、誤嚥に注意しながら介助を行います。また、お茶・汁物など水分でむせこみが多い方に関しては、トロミ剤を使用して、むせこみを予防します。自力で食事をされる方に関しても誤嚥の危険性はあります。一人の入居者を介助しながらでも周りに気を配ることが大事です。

排泄介助

入居者の状態に応じてトイレ誘導やオムツ交換を行います。下半身に皮膚疾患のある方はこの時に軟膏の塗布をします。オムツや尿取りパッドは各メーカーからたくさんの種類がでています。一般的には夜間はゆっくり休んでいただくため、尿をたくさん吸収できる尿取りパッドやオムツを着用し、オムツ交換の回数を少なくしています。

入浴介助

軽度の方と重度の方とでは入浴の設備が違ってきます。軽度の方は浴槽自体にドアがついているタイプや椅子が昇降・回転しそのまま浴槽に入るタイプの浴槽にて入浴します。主に介護者がマンツーマンで入るケースが多いです。重度の入居者は一般的に特殊浴槽と呼ばれる浴槽で入浴します。椅子と浴槽が一体型になって座位のまま入れる浴槽や寝た状態のまま入ることができる浴槽など様々な種類があります。基本的に移乗や洗身の際には職員2名にて対応します。

生活援助(掃除・洗濯)

掃除については施設によってやりかたは様々です。業者委託にしている施設もあります。その場合でも食堂やトイレが汚れてすぐ清掃が必要な場合は職員が行います。

洗濯についても業者委託する施設、施設自体に大規模な洗濯場がある施設があります。施設で洗濯した場合は、洗濯ものたたみや居室への返却は職員が行います。入居者の生活リハビリの一環として洗濯物をたたんでいただく場合もあります。

機能訓練

理学療法士や作業療法士などの資格を持つものが機能訓練指導員として歩行訓練や可動域訓練など専門的なリハビリを行います。また生活リハビリといって入居者に洗濯ものをたたんでもらったりテーブルを拭いてもらったりして日常生活の中にリハビリを取り入れる場合もあります。

レクリエーション

施設ごとに違いはありますが、普段のレク活動と季節ごとの大きな行事があります。普段のレクでは折り紙、塗り絵、脳トレなどを行います。また人員に余裕がある場合は気候の良いときに屋外へ散歩にお連れし気分転換を図ります。季節ごとの大きな行事として夏祭りや敬老会、クリスマス会などを行います。施設によっては夏場の夜に時間をとり花火大会を行うところもあります。

職種・人員基準

施設長

常勤換算で1名以上の配置基準。「社会福祉主事の要件を満たすもの」「社会福祉事業に2年以上従事したもの」「社会福祉施設長資格認定講習会を受講したもの」のいずれかの条件を満たす必要があります。

医師

配置基準は「必要な人数」とされています。通常は施設に常駐しておらず定期的に往診するのが一般的です。入居者の健康管理・健康指導、往診、看護職員との連絡調整を行います。

介護職員

常勤換算(看護職員含む)で3:1以上の配置基準となっています。

排泄介助や入浴介助などの身体介助、清掃、洗濯などの生活援助が主な業務となっています。また施設は24時間体制のため夜勤のシフトもあります。

看護職員

入居者30名以下の場合は常勤換算で1名以上、31名から50名までは2名以上、51名以上の場合は3名が配置基準となっています。入居者の健康管理、バイタルチェック、内服薬の管理・仕分け、怪我や褥瘡の処置、主治医との連絡調整などが主な業務内容です。看護職員が1名しか配置されていない施設については、休みの場合に看護職員がいないため併設の事業所から応援にきたり、バイタルチェックを介護職員が行うケースもあります。

機能訓練指導員

常勤換算で1名以上の配置。理学療法士や作業療法士が専門的な知識に基づき、機能訓練を行います。

生活相談員

入居者100名までは1名以上の配置義務あり。入居希望者の対応、入退居の調整、家族への連絡などが主な業務です。

介護支援専門員

入居者100名までは1名以上の配置義務あり。アセスメント、モニタリング、ケアプラン作成、家族との連絡調整が主な業務です。入居者の状態把握のため介護職員や看護職員との連携も欠かせません。細かな情報が知りたい場合に介護業務に入る場合もあります。

ユニットリーダー

ユニット型の特養の場合、原則として1ユニットごとに1名のユニットリーダーを配置しなければなりません。介護職員初任者研修や介護福祉士などの資格所持と1年以上の実務経験が必要です。ユニットの入居者の把握、ケア内容の考案などを行います。施設によっては各ユニットリーダーがシフト作成をしています。またユニット職員へ業務の指示を出したり、職員の評価をしたりとリーダーシップも求められます。

特養で働くメリット

重度の入居者が多いため、介護技術をみにつけやすい

入居者は要介護3以上であり多かれ少なかれ、何らかの身体介助を必要としています。麻痺や拘縮がすすんでいる方も多くおられます。どのようなやり方が適切なのかを考えながら介助することが必要不可欠です。このような方々の介助をすることで自然と介護技術が磨かれていきます。

介護用品に触れ学ぶことができる

特養では重度の方が多いため、様々な福祉用具・機器を導入しています。介助用の車椅子や特浴の設備、移乗のための昇降機などです。他にも入居者がベッドに入っているときの入眠や呼吸状態を管理するセンサーやソフトを導入している施設もあります。福祉機器にたくさん触れることでスキルアップにつながることもあることでしょう。

運営母体がしっかりしている

特養は老人福祉法により地方自治体か社会福祉法人のみ運営可と規定されています。特養開設のためには様々な基準をクリアしなければなりません。行政の開設募集に対して複数の希望があった場合はその中から選ばれなければ、そもそも開設にも至らないのです。そのため特養がある法人はこれまで実績をつんでおり外部から一定の評価を得られていることがわかります。

特別養護老人ホームで働くデメリット

重度の介護者の対応で自分の体を痛めることがある

特養の入居者は自分で立ち上がりや移乗ができない方が多く、身体介助を多く要します。そのため介助の際に介護者が体を痛めるケースも珍しくありません。特に腰を痛めるケースが多く、ひどい場合では業務に入れず休職にいたることもあります。

シフト制であり生活リズムが不規則になる

施設系全般に言えることですが、入居者は24時間施設で生活されているため、職員も常時配置しなければなりません。特に夜勤は慣れない人には負担が大きく、生活リズムを整えるために時間がかかります。夜勤が条件で入職している場合は、夜勤の回数の調整などを上司に相談する必要もでてきます。

施設で入居者が亡くなることが多い

先述のとおり特養を「終の住み家」と決めて入居されるケースも少なくありません。そのため長く入居されており、気心がしれた入居者様でも逝去という形でお別れすることがあります。感受性が強く入居者にきちんと向き合った職員ほど引きずってしまい、心の安定まで時間がかかります。

まとめ

いかかでしたか?特養は重度の入居者も多いですが、介護技術をしっかりと身につけたい方、体力に自信がある方、夜勤手当で稼ぎたい方に関しては適している施設かもしれません。特養は入居者が亡くなりお見送りすることも多くあります。しかし入居者としっかり向き合い、看取れることを幸せに感じることができる職員がいるのも事実です。また特養で得た知識や技術は、もし異動や転職したとしてもきっと生かされることでしょう。介護職において様々な体験ができる特養を転職先の候補に考えてみてはいかがでしょうか。

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