福祉系への転職を考えてる人の中では高齢者の介護施設へ興味をお持ちの方もおられるかと思います。たくさんの種類の施設がありますが今回はその一つとして「介護老人保健施設」の紹介をしていきます。
老人保健施設とは?
65歳以上の要介護1以上の高齢者が医学的な管理のもとで在宅復帰を目指すための施設です。理学療法士や作業療法士による専門的なリハビリを受けながら在宅での生活を出来るように心身の機能の維持向上を図っていきます。入居期間は3カ月~6カ月と制限がありますが場合によっては入所期間が延長される場合もあります。
老人保健施設の主な仕事内容
食事の準備・介助
入所者一人一人の身体的な状態や病状に合わせて栄養士がメニューを考え提供します。食事は施設によっても違いがありますが、嚥下状態の悪い方に関しては刻み食やミキサー食を提供します。また栄養状態の悪い方に関しては、高エネルギーの飲料やゼリーなど補助食を提供する場合もあります。直接口腔内から食事を取れない方に関しては医療的管理のもとで経管栄養にて食事を摂っていただく場合もあります。
排泄介助
自力でトイレに行けない方は排泄の介助をします。トイレに行ける方はトイレ誘導し、寝たきりやそれに近い状態の方はオムツ交換を行います。施設によってはトイレが居室内に設置されている場合もあります。本人の状態に応じて尿取りパッドやリハビリパンツ、テープ式の紙おむつを使用します。また清潔を保てるように排泄介助時には陰部洗浄を行います。
入浴介助
施設内には一般的家庭のような浴槽や特浴と呼ばれる特殊浴槽などがあり、入所者の状態に合わせて入浴の支援を行います。特殊浴槽にも様々な種類があり、椅子に座ったまま入れるものやリフト式のものがあります。
機能訓練
老人保健施設は在宅復帰を目的としている施設です。そのため機能訓練は最も重要なサービスとも言えます。理学療法士や作業療法士が入所者の状態に合わせた機能訓練を行います。
具体的な内容としては下肢の筋力向上のための訓練(歩行訓練、階段の昇降訓練など)、関節のストレッチ、姿勢保持のための訓練などがあります。また車椅子を自分で動かす、洗濯物をたたむなど日常生活の中にも機能訓練を取り入れることもあります。
職種・人員基準
医師
入所者100人に対し1人以上とされています。
薬剤師
実情に応じた適当数(300対1を基準とする)
看護職員、介護職員
常勤換算(看護職員含む)で3:1以上の配置基準となっています。
また看護師と介護職員の比率が2:5程度になるように配置する必要があります。
理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士
1名配置義務あり。
入所者が在宅復帰を目指すうえで重要な職種といえます。
理学療法士や作業療法士が専門的な身体機能のリハビリを行います。
言語聴覚士は病気や高齢化により発音・発生が困難になった方や嚥下機能に問題がある方に対して訓練・助言を行います。
栄養士または管理栄養士
入所者100人以上の場合1人以上の配置義務あり。入所者の栄養状態の把握、献立の作成を行います。
支援相談員
1人以上の配置義務あり(100対1以上)入所希望者の対応、退所の調整、家族への連絡、多職種間の連絡調整などが主な業務です。
介護支援専門員
1人以上の配置義務あり。(100対1を基準とする)アセスメント、モニタリング、ケアプラン作成、家族との連絡調整が主な業務です。入居者の状態把握のため多職種との連携を取りながらケアプランを立案していきます。
調理員、事務員、その他の従業者
実情に応じた適当数
老人保健施設で働くメリット
たくさんの高齢者とふれあうことができる
老人保健施設は施設の特性上、入所者の入れ替わりが多くあります。人生の先輩である高齢者の方とふれあうことでたくさんの人生を知ることができ、知見が増えるというメリットがあります。
介護技術の向上につながる
老人保健施設では要介護1から要介護5までの方が入所されています。認知症の方や寝たきりの方、また経管栄養、胃ろうなどの医療の面での支援が必要な方と様々です。こういった環境で介護の仕事をすることで介護技術や知識の向上につながりやすいといえます。
・在宅復帰できた際に達成感を得ることができる
老人保健施設の入所者は在宅復帰という明確な目標があります。職員もそれを目指しながら支援を行い、いざ在宅復帰できた時にはなにものにも代えがたい達成感を得ることができるでしょう。
医療に関わる職種が多い
人員配置として医師の配置が義務付けられおり看護職員の数も他の種別の施設に比べて多いです。入所者の健康管理や緊急時の対応についての不安は他の種別の施設と比べて少ないといえます。また施設によっては夜勤に看護師を常に配置しているところもあります。
老人保健施設で働くデメリット
入所者の入れ替わりが多い
老人保健施設は在宅復帰を目指す施設の特性上、入居者の入れ替わりが他の施設に比べて多いです。その為、入所者と馴染みの関係を築く前に退所されることもあり、寂しい思いをすることも考えられます。また、新しい入所者を迎えることが多いため、状態の把握や情報の共有が難しくもあります。
多職種との連携が難しい
老人保健施設は介護士のほかに医師、介護支援専門員、看護職員、栄養士、理学療法士、作業療法士など様々な業種が連携を取りながら入所者の支援を行う施設です。専門職にはそれぞれの考えがあり意見がぶつかってしまい、支援の方法がまとまるまでに時間がかかることもあります。相手の視点にも立ちながら学び合い、より良い支援につなげることが大事だといえます。
まとめ
いかがでしたか。今回は働く場所としての老人保健施設の紹介をしました。老人保健施設は入所者の入れ替わりが多くありますが、たくさんの入所者と関わることができ、在宅復帰ができた際には達成感を味わうことができます。
医療の知識についても学ぶことができるので介護職としてのスキルアップを目指す方はぜひ転職先の候補の一つとして考えてみてはいかかでしょうか?


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