これから介護の仕事に就こうと考えている人や現在、介護の仕事をしていて転職を考えている人の中には仕事を選ぶ中で「小規模で家庭的な施設で働きたい」と考えている人も多いかと思います。そこで、この記事では「グループホームはどんな施設なのか?」、「はたして働きやすいのか?」などの疑問に答えていきます。
グループホームとは?
グループホームは介護保険法上の正式名称は「認知症対応型共同生活介護」といいます。要支援2の方から要介護5の認知症の診断を受けた方が共同生活を送る施設です。入居者は少人数で家庭的な雰囲気の中で過ごすことができます。建物は一般住宅を改築したものや多層階になっているものなど様々です。また地域密着型サービスに位置付けられており、グループホーム所在地の市町村の方が入居されます。地域の住民と接する機会も多く、入居者は住み慣れた地域で安心して過ごすことができます。
グループホームの定員は?
グループホームは1ユニットに対し5名~最大9名が入居できます。それぞれの事業所によってユニット数は違いますが最大で1施設3ユニットまでと定められています。個人経営の所であれば1ユニット~2ユニットが多いようです。
グループホームの仕事内容
食事の準備・介助
グループホームにおいては人員基準上、栄養士や調理師の配置は義務付けられていません。そのため食事は介護職員や看護職員が作ります。施設の規模にもよりますが通常は家庭と同じようにスーパー等で食材を買い、施設のキッチンにて調理を行います。調理のみのパートを雇用している場合もあるようです。また、身の周りのことが出来る比較的軽度の入居者であれば、生活リハビリの一環として、調理の簡単な工程を手伝ってもらうこともあります。
排泄介助
入居者の状態に応じて排泄介助を行います。施設によりますが、それぞれの居室にトイレがある施設や各ユニットに共同で2~3つのトイレがある施設と様々です。オムツ着用の入居者についてはそれぞれの居室にてオムツ交換を行います。
入浴介助
入浴は介護保険法上、最低週2回は実施しなければならないと基準が定められています。入浴設備は各施設によって違いますが、一般家庭規模の浴室に福祉用具を取り付けて入浴を行うことが多いです。
生活援助(掃除・洗濯)
グループホームの清掃はホームの職員が行います。明確に清掃の時間が決められているわけではないので業務の合間に行うことが多いです。
洗濯については、一般家庭の洗濯と同じように洗濯し屋外に干します。施設によっては乾燥機を使用することもあるようです。また生活リハビリの一環として入居者と一緒に洗濯もの干しやたたみ方を行う施設もあります。
人員基準
入居者3名に対し介護職員1名を配置するように義務付けられています。ただし、これが適用されるのは日中のみであり労働時間を元に算出されているため、必ずしも同一時間に3名の職員がいるとは限りません。日中に3名以上の職員が常時いる施設は人員的には恵まれているといえます。夜間帯は介護職員が1名いればよいとされています。
職種
管理者
管理者は3年以上の認知症高齢者の介護従事経験が3年以上あり、かつ厚生労働省が定めた研修(認知症対応型サービス事業者管理者研修)を修了したものが就くことができます。原則として各ユニットに1名の配置基準となっていますが、業務に支障がない場合は他ユニットとの兼務が可能です。入退居の調整、職員のシフト管理、入居者家族とのやりとり、行政との連絡調整が主な業務です。
計画作成担当者
計画作成担当者の主な業務は入居者のケアプランの作成となっています。介護支援専門員の資格保持と認知症介護実践者研修を修了している者が就くことが出来ます。2ユニット以上の場合は、いずれか1名が介護支援専門員の資格を所持していればOKです。(認知症介護実践者研修の修了は必須)入居者はユニットあたり最大9名であり、他の種別の施設に比べるとケアプラン作成による負担は少ないため、介護業務と兼務している場合が多くみられます。
その他の人員
法的に定められている職員の人員基準については上記の通りです。実は看護職員については配置義務がありません。しかし、入居者の普段の健康管理や医療的な処置、緊急時の対応などは介護職員だけでは負担が大きいため看護職員を配置している施設が多くあります。
グループホームで働くメリット
入居者、職員とも少人数のため、馴染みの関係を築きやすい
入居者は地元の方が入居されており入居したら顔見知りがいて安心されるケースがあります。また職員についても少人数であり、いつも同じ職員と仕事をすることで関係性を深めることが出来ます。
他の種別の施設に比べて介護業務の負担が少ない
グループホームは特別養護老人ホームや老人保健施設にくらべると入居者に対する職員の割合は多いため、入居者一人一人に向き合う時間をとりやすいです。入居者の要介護度の状態にもよりますが、身体介助が業務を大きく占めることもないので職員の身体的な負担も少ないです。
認知症の対応について実践的に学べる
グループホームは認知症対応の施設のため、認知症の診断を受けた方だけが入居されます。認知症の症状は人それぞれであり対応の仕方も違ってくるため、支援の中で必然的に認知症高齢者ケアのスキルが身についていきます。
グループホームで働くデメリット
人間関係がこじれた時に修復が難しい
これはメリットに挙げた「馴染みの関係を築きやすい」の裏返しとなります。職員も人間なので職員同士の相性が悪くトラブルになるケースもあります。2ユニット以上ある施設や経営母体が大規模な法人・会社であればユニットや事業所間の人事異動にて解決を図ることもできます。しかし1ユニットの施設においてはそうもいきません。こじれた場合、最悪退職に至るケースもあります。
夜勤の負担が大きい
夜勤は各ユニットに1名配置されていることが多いです。このためユニットが1つしかないグループホームについては必然的に夜間帯のすべての対応を夜勤者1名ですることになります。平常時はいいのですが、夜間に複数の方が同時に起きて、対応に追われることも珍しくありません。一番の負担となるのは入居者の夜間の急変時の対応です。1名で救急車の要請や応急処置、家族への連絡、職員への応援要請など短時間でやるべきことが多くあります。2ユニット以上の場合は交代で休憩がとれたり、緊急時に複数の職員で対応できるので1ユニットの施設よりは負担は少ないです。
まとめ
以上、グループホームでの仕事内容や働く上でのメリット・デメリットを紹介しました。
グループホームは認知症の方ばかりで大変なこともありますが、小規模で家庭的であるがゆえに入居者とも信頼を深めやすい施設です。入居者とじっくり向き合いたい方や認知症に関する知識を身につけたい方など転職先の候補のひとつに考えてみてはいかがでしょうか。

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